第27回石川県社保協定期総会&本田由紀さん記念講演報告
<あいさつをする松浦代表委員>
日時:2022年5月28日(土)13:30~17:00
会場:石川県地場産業振興センター本館2階 第1研修室
ほかZOOMによるオンライン会場
参加者数:約70名(会場、オンライン含む)
司会・長曽輝夫
議長:山中尚史
代表委員挨拶:松浦健伸
第一号議案(総括・方針)の提案:藤牧圭介
第二号議案(2021年度決算)の提案:寺越博之
会計監査報告:寺中靖一
第三号議案:寺越博之
第四号議案:水上幸夫
発言は4名の方からいただいた。
- 「ケア労働者と県内医療環境の現状」嵯峨猛さん(県医労連)
- 「介護人材不足の実態について」谷口久美さん(やすらぎ福祉会)
- 「コロナ禍、食料支援の取り組みについて」戸田令子さん(新婦人)
- 「高齢者の生活実態と年金について」小倉恵美さん(年金者組合)
第一号~第四号議案まで一括して採択された。
本田由紀さん記念講演
テーマ「日本ってどんな国? 国際比較データで社会が見えてくる」
講師:本田由紀さん(東京大学大学院教育学研究科教授)
5月28日(土)15時から石川県地場産業振興センターにて第27回石川県社保協定期総会の第2部となる、本田由紀さん記念講演を開催しました。当日はオンラインで約70名の参加がありました。講演のテーマは著書のタイトルズバリ、「日本ってどんな国? 国際比較データで社会が見えてくる」でお願いしました。本田先生からは、100枚を超えるスライドを紹介しながら、「コロナ禍がもたらしたもの」、「コロナ以前からの日本社会の問題」、「仕事、家族、教育においての変化」、「そして現状をどう乗り越えるか」の大きく4つの柱にそってお話をいただきました。
日本のバブル崩壊前まで続いた「戦後日本型循環モデル」(本田由紀さん作成)が仕事と家族、教育のそれぞれの関係性において、一方通行の圧力をあまりにも強固に与え続けた結果、バブル崩壊後の社会において、その循環が破綻してしまったことが、今日まで続く日本を形作った要因であると独自の図表で解説されました。社会の中で個人がバラバラとなり、このモデルを動かし続ける限り、点と点はつながることなしに、社会がやせ衰えていってしまうことを告発され、その現実を世界各国との比較データを紐解きながら証明されました。
数多くの詳細なデータは圧倒的であり、世界における日本の立ち位置をまざまざと見せつけられる思いがします。この救いようのない日本社会をどう変えていけばよいのか。講演の最後に示していただいた「新たな社会モデル」の図から、少しの希望を得た気がしました。「だれもがそれぞれに尊重され、可能性を発揮することができ、安心して生きて行ける社会」まさに今とは逆の社会への希望を持ち、運動を継続していくことに尽きると感じました。
それにしても衝撃的なデータの数々。特にこの国の未来そのものである子どもたちに与えている影響は犯罪的でもあると感じます。「生きる意味」を見いだせていない子どもたちが世界一多い国。最も「助け合いの少ない」国。果たして、本当だろうかとも思います。本田さんの著書の最後にもそんな深刻な現実と対峙しながらも「あきらめない」という言葉があり嬉しく思いました。
講演の最後に、いま正に全国の仲間とつながって「あきらめない」たたかいを続けている生活保護基準引下違憲訴訟の原告の訴えもありました。当面7月には参議院選挙が控えています。私たちはこの破壊されつくしてしまったかのような日本社会を、それでもあきらめず連帯して好循環させる一つ一つの力になりたいと思います。
●講演の模様は下記youtubeチャンネルから視聴可能です
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